反戦主義と平和主義は違う考え方

航空自衛隊の空幕長、今では元というべきですね。その人の書いた論文が話題になってますね。

http://www.apa.co.jp/book_report/images/2008jyusyou_saiyuusyu.pdf

航空幕僚長というのは空自制服組のトップで、他の国の軍隊の大将相当の位に当たる人らしい。

それだけの人が書いたにしては、はっきり言って内容がお粗末すぎます。

東京新聞なんて

近現代史に詳しい学者らはあきれ顔。内容をことごとく批判し「レベルが低すぎる」とため息が漏れた。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008110102000087.html

書いてありますが、確かに論評する気にもならないお粗末なものという気がします。
書いてある内容は、どこかで見たようなものの継ぎ接ぎで、これで300万円もらえるのなら形を変えた献金では?といわれても仕方ないように思います。


しかし、仮にも自衛隊のトップの人が本当にこの程度なのかしら?という疑問もあったし、そもそも田母神さんて人をよく知らないので、可能な限りの資料を集めてみました。

この人、自衛隊の隊内誌や、軍事マニア向けの雑誌にかなりの数の寄稿をしているのですよ。

Web上ではあんまり見つからなかったのですが、例えばこんなのがあります。
http://www.google.com/gwt/n?u=http%3A%2F%2F15b-nakama.hp.infoseek.co.jp%2FTamogami%2F2003_2004Tamogami_frame.html

この人の書きものに繰り返し出てくるセリフは「強い意思が強いリーダーを作り、強いリーダーが強い組織を作る」というもの。
そこから導き出せるリーダー論としては概ね納得できる内容ですし、思想信条が私と異なるので行動パターンは賛成できないのですが、これはこれで一つの考え方としてありだなと思います。

公務員、自衛官でなければ、という注釈はつきますが。


下に対する責任のとり方はともかく、上や周囲に対する責任についてはそれほど考えていない方のように思います。

自衛官ではなく普通の会社のオーナー社長をやっていればよかったのかもしれません。


とまあ、たたかれてばっかりではかわいそうなので少し弁護の文書も書いてみる。

この人の文章を読んで見て、少なくとも民族主義的なもの、好戦的なものは感じられないように思いました。
いわゆる右翼とは違うタイプだなと。

タイトルに書いたことですが、平和主義ってのは、戦争や武器などの暴力的な手段に一切頼ることのない考え方だと僕は考えています。みんながみんな自主的に武器をとらなければもちろんそれに越したことはないのですが、現実に武器を持つことを義務付けられている自衛隊のトップがこれでは困ります。

反戦主義ってのは、文字通り戦争をしない考え方。
例えば自衛のために強力な戦力を有し、「あの国は侵略しないって口では言ってるけど本当かどうか怪しいもんだ」と他国に恐怖心を植えつけられれば自国は侵略を受けないわけで、それでは戦争は起きないしれないけど、武器を使って相手に強制的に自国に都合のよい考え方を強いることになるので自由や平和といった考え方からは少し違うと思う。
僕自身はこういう意見に賛成で、田母神さんも似たような考えをお持ちの方とお見受けしたので、できれば応援したい。ただ、大方の日本人は別の考え方を持っているっぽいので、個人的には悔しく思っています。